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治療後の詰め物や被せ物の注意点について

2024年11月26日

詰め物や被せ物は、むし歯や歯の欠損を補うために使用される治療法です。しかし、これらの治療は一度完了すればそれで一生持つわけではない、ということをご存じですか?詰め物や被せ物には寿命があり、正しいケアを怠れば再治療が必要になる可能性があります。今回は、詰め物や被せ物の寿命やその維持方法について詳しく解説します。

 

詰め物や被せ物にも寿命がある?

詰め物や被せ物には限られた使用期間があることをご存知でしょうか?詰め物や被せ物の寿命は、使用される素材や患者さんの生活習慣によって大きく異なりますが、これまでの研究で以下のような平均使用年数が報告されています。

 

・金属製の詰め物:約5.4年

小さなむし歯を削ったあとに歯質を補うための補綴物を、詰め物(インレー)といいます。金属を使用した詰め物や被せ物は耐久性に優れているとはいえ、寿命は5年程度と言われています。ただし接着部分が劣化したりむし歯が再発した場合は、それよりも早く再治療が必要になることがあります。

 

・金属製の被せ物:約7.1年

被せ物は、歯の大部分が失われるようなむし歯の治療の際に作製される補綴物です。クラウンとも呼ばれます。金属製の被せ物に関してもある程度の強度や耐久性はありますが、素材の劣化しやすさ、酸化しやすさなどの性質から、7年程度が寿命であるとされています。

 

・金属製のブリッジ:約8年

ブリッジは、失った歯の両隣の歯を支台とし、橋渡しをするように連結された人工歯を被せる治療方法です。保険診療の範囲内で作製される金属製のブリッジの寿命は、8年程度と言われています。

 

なぜ詰め物や被せ物には寿命がある?

詰め物や被せ物が劣化するのは、お口の中が非常に過酷な環境にあるためです。私たちの口腔内は以下のような影響を常に受けています。

 

・温度変化による影響

食事や飲み物を摂るたびに、お口の中では温度変化が生じます。冷たいものを飲んだ後に熱い飲み物を摂るなど頻繁な温度の上昇・下降が繰り返されることで、詰め物や被せ物の接着部分にわずかな膨張や収縮が起き、ひび割れが生じる場合があります。

 

・咀嚼時の力の負荷

日々の咀嚼によって歯や詰め物には負荷がかかります。特に硬い食品や粘り気の強い食品を頻繁に摂取する人の場合、詰め物や被せ物へのダメージが蓄積しやすくなります。

 

・細菌による影響

お口の中には無数の細菌が存在しており、これらがむし歯や二次う蝕(むし歯の再発)の原因となります。詰め物や被せ物の周囲は細菌が特に溜まりやすく、放置すると劣化を加速させる恐れがあります。

 

詰め物や被せ物の寿命を縮める危険な因子

詰め物や被せ物の寿命を短くしてしまう原因はさまざまです。ここでは代表的な例を挙げ、その影響について詳しく解説します。

 

・歯ぎしりや食いしばりの影響

無意識のうちに行われる歯ぎしりや食いしばりは、詰め物や被せ物に強い力を加えます。この負荷が長期間にわたり加わると詰め物が欠けたり、被せ物が割れたりするリスクが非常に高まります。

 

特に、睡眠時の歯ぎしりは、自分では気づきにくい問題です。歯ぎしりの力は食事中に歯が受ける通常の力の数倍にもなることがあり、詰め物や被せ物だけでなく、健康な歯自体をも損傷させることがあります。この問題に対処するには歯科医院での診断を受けることが重要で、必要に応じてナイトガードという専用のマウスピースを装着することで歯を守ることが可能です。

 

・噛み合わせの変化

噛み合わせは加齢や歯の摩耗などによっても変化します。治療当初は完璧にフィットしていた詰め物や被せ物であっても、年月が経つにつれて噛み合わせが変わり、不要な力が特定の部位に集中してしまうことがあるのです。その結果、詰め物や被せ物が外れる原因となることがあります。

 

・日常の摩耗と劣化

詰め物や被せ物は日々の咀嚼や歯磨きの影響を受けて徐々に摩耗し、目には見えないレベルの細かな傷がついていきます。この傷があることで詰め物や被せ物の表面にプラークや細菌が付着しやすい状態になるのです。また、口腔内の細菌が産出する酸により金属に含まれる成分が酸化して腐食し、劣化していきます。

 

見逃されがちな「二次う蝕」に注意

詰め物や被せ物の劣化とともに、避けて通れないのが「二次う蝕(むし歯の再発)」のリスクです。二次う蝕とは一度治療を受けた部位で再びむし歯が発生することで、多くの患者さんが見逃しやすい問題の一つです。

 

・二次むし歯の発生メカニズム

詰め物や被せ物を装着した直後は接着がしっかりしていても、年月とともに劣化が進むことで接着部分に隙間が生じる場合があります。そのわずかな隙間に細菌が侵入し、内部でむし歯が進行するのが二次むし歯の特徴です。

 

・症状が進行しやすい理由

二次むし歯の怖い点は、初期段階での自覚症状が少ないことです。痛みや違和感がなく進行することが多いため、気づいたときには歯の内部が大きく侵されている場合もあります。特に詰め物や被せ物の下で発生するため目視では確認できず、歯科医院でのレントゲン検査などが必要です。

 

・二次う蝕が発生してしまったら

多くの場合、二次う蝕の存在に気がつくのが「詰め物や被せ物が外れてしまったとき」です。食事中など不意に詰め物や被せ物が外れてしまうことが稀にありますが、この原因の多くが二次う蝕です。二次う蝕になってしまっている状態では、同じ詰め物や被せ物をもう一度使うことはできません。むし歯が再発した部分を再び削り、その形に合った詰め物や被せ物を再度つくることになります。

 

詰め物や被せ物を長持ちさせるために

詰め物や被せ物の寿命を延ばすためには、日々のセルフケアと定期的な歯科受診を組み合わせることが重要です。それぞれの方法について具体的に説明します。

 

・毎日のセルフケア

日々の口腔ケアは、詰め物や被せ物を長持ちさせるための基本です。以下のポイントを心掛けましょう。

 

【丁寧な歯磨きを行う】

詰め物や被せ物の周囲は特にプラークが溜まりやすいため、歯ブラシだけでなく歯間ブラシやデンタルフロスを使用して清潔に保ちましょう。歯と歯の間、歯と詰め物の境目は細菌が繁殖しやすい箇所です。

 

【フッ素入り歯磨き剤を使用する】
フッ素は歯を強化し、むし歯の進行を防ぐ働きがあります。毎日の歯磨きにフッ素配合の歯磨き剤を取り入れることで、むし歯予防に効果的です。

 

【硬すぎるものを噛む習慣を避ける】
硬い食品や歯で袋を開けるといった行為は詰め物や被せ物にダメージを与える可能性が高いため、避けるようにしましょう。

 

・定期的な歯科受診

歯科医院でのプロフェッショナルケアは、詰め物や被せ物を長持ちさせるために欠かせません。

 

【定期検診を受ける】
3~6カ月に1回程度の定期検診を受けることで詰め物や被せ物の状態を早期に確認し、問題があれば迅速に対処できます。

 

【クリーニングを受ける】

歯科医院でのクリーニングは、歯ブラシでは落としきれないプラークや歯石を除去し、口腔内を健康に保つために効果的です。

 

まとめ

詰め物や被せ物は、適切に管理することで寿命を延ばすことができます。しかし、それには日々のセルフケアと歯科医院でのプロフェッショナルケアの両方が欠かせません。寿命を迎える前に適切なメンテナンスを行うことで、健康な歯を長く保ちましょう。

 

予防治療を検討されている方は、茨城県筑西市にある山口歯科クリニックにご相談ください。
当院では、一般歯科や予防歯科、矯正治療、ホワイトニング、インプラント治療、口腔外科など、さまざまな歯科診療に力を入れています。ホームページはこちら、ご予約・お問い合わせはこちらにてお待ちしております。

 

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